高輪浴場(港区)
2008年 05月 18日
・高輪浴場(港区)
■所在地&電話■
・港区高輪2-6-2_電話・03-3441-7410
■利用料■
・¥430-
■営業時間■
・16:00〜22:30
■定休日■
・月曜日
■設備■
・白湯(43℃)
・サウナ:なし
・カラン21
■付帯設備■
・番台形式
■旧暦■
・卯月14日(満月2日前)
■13暦■
・スペクトルの月17日 KIN90_白いクリスタルの犬
■データ■
・天気:曇り
・入湯時間_21:45〜22:30
・同時入湯者数:4人〜2人(浴室のみ)
■記■
・国道一号線を中心軸として、明治学院大学、高輪高校、東海大学、高輪台小学校など教育施設がずらりと並ぶ港区の文教エリア、高輪の中心に位置する高輪浴場。さらにこのあたりはホテルなど宿泊系施設もあり、高台住宅地特有の歴史というかハイソ(死語)な雰囲気が漂う。古い木造家屋が立ち並ぶ街区もあるが、いかにも銭湯が少なそうな地域柄だ。実際この高輪浴場の廻りには徒歩で行けるような銭湯が他になかなか無い。
そんなエリアでポツリと孤軍奮闘?の高輪浴場。木造の一軒家で瓦屋根がのっかっている古い木造銭湯だが、一言で言えば外観も内装もかなりシンプルな「素」銭湯と言ったところ。地域の常連客中心という雰囲気の番台形式だ。この日は物腰柔らかい上品な出で立ちの女将さんが座っていらした。普段店に出ている番頭さんはお休みとのことだった。店内は脱衣室、浴室とも天井が高く、浴槽が一番奥に配置された昔ながらの東京銭湯のつくり。特に目立つところは、浴室中央のカランポストが鏡もシャワーも無い40センチほどの台+カランのみで並んでいること。このタイプは目線の高さに遮へい物が入らないので、空間がかなり広く見える。さらに背景画が無いこともあいまって、シンプルな造りが強調されている。都内の一等地にあって、このレトロシンプルな感じは何とも不思議な入浴感覚を呼び起こされる。湯温は少し熱めの43℃ほどで深い浴雄と浅い浴槽に分けられているだけ。黙々と体を洗う男湯空間に対して、女湯からはご近所さん同士の世間話が聞こえて来る。古い一軒家型銭湯で都心の立地となると、だいたいこのパターン。閉店間際に静かな男湯出口から「ありがとうございました〜」と声高らかに去って行く若い男性客が印象的だった。
すぐ近くにある高輪消防署二本榎出張所はレトロなファサードで有名な建築だが、この建物同様に、高輪浴場はその地跡を残すべく、また地域のオアシスとして今後もぜひ存続してもらいたい銭湯だ。ここがなくなると、このエリアはかなりの広範囲において銭湯が無い「砂漠」と化してしまう。