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武の湯(渋谷区)

★驚きの経営努力「お客さん第一主義」をめざして★(1010誌 87号掲載バックナンバー)

 「お客さん第一主義」の経営。あたりまえのようであるが、悲しいかな、銭湯業界ではなかなかこの言葉を素直に聞くことがない。しかし、ここ武の湯ではこの言葉が店全体の運営に反映され、独自のサービスが様々な形で展開されている。まずは営業時間。なんと平日午後2時から深夜2時まで営業。これに加え、日曜は朝6時からの朝湯をやって、そのまま休憩無しで深夜2時まで営業する。これだけ営業時間の長い銭湯もなかなか無いだろう。これはお客さんの要望に応えたもので、もともと深夜1時までだったのが、1時半になり、2時になったのだという。「もうこれ以上は無理」と女将さんが語るまでに、営業努力が極められている。朝の6時からの朝湯というのも驚きだ。これはあるデータによると、6時から9時が最も朝湯のニーズ高い時間で、そこから設定されたものだという。ご主人は、朝湯をやるならこの時間でないと無意味であるとまで言い切る。平成元年に始められた朝湯は、狙いどおり老若男女の客層が朝6時の開店前に並ぶ状況になっているが、その宣伝(朝湯のプロモーション)には時間とお金をかけた経緯がある事を付け加える必要がある。何と朝湯の開始当初はテレフォンカードをプレゼントしていたというのである。しかもそれがオリジナルデザインで、経費としては¥960-。1人あたり¥500-以上の赤字ということになる。必要経費をきちんと確保して、プロモーションの継続に努める、そんな攻めの経営姿勢に共感する。
 店内のサービスも盛りだくさん。新型のマッサージ機が男女に各3〜4台ずつ。女性側には「ジョーバ」というフィットネスマシーンが置かれ、これが何と使用無料。そして血圧計と血流計もあり、これも無料。体脂肪計(これだけ¥50-)もある。決して安い投資では無いはずであるが、これもお客さんの「健康に対する関心」というニーズに応えたもの。その他ラドンやサウナ、水風呂コーナー、浴槽は中温と高温を用意と、浴室のアイテムも充実。飲用冷水器まである。とにかく細かなサービスの積み重ねが素晴らしく、それに応える形でお客さんも当然多い。この経営姿勢、お客さんだけでなく、是非他のお風呂屋さんにも感じてほしいと思ってしまった。

【DATA】たけのゆ
住所:渋谷区幡ヶ谷3-45-2
電話:03-3378-5005
営業時間:14:00~26:00(日曜朝6:00〜26:00、祝日12:00〜26:00)
休業日:月曜日(祝日場合は翌日休)
交通:京王線[幡ヶ谷駅]よりバス[7号通り]下車、徒歩3分

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by space88 | 2007-08-21 18:51 | ★1010/ちょいとひとっ風呂

東京都内の銭湯や温泉を中心とした、建築士:今井健太郎の風呂日記。雑誌1010掲載エッセイのバックナンバーもこちらでご覧頂けます。


by space88
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