帝国湯(台東区)
2008年 06月 17日
歩道がある大通りに面する銭湯、というのは案外珍しくて新鮮だ。周囲は新しいオフィスビルが林立し、通りはサラリーマンが行き交う一方で、そのすぐ裏手には佐竹商店街、おかず横町などといった古くからの町並みも生き残っている。それなりに商店街も機能している様子。
そんな町並みの二面性が色濃い、御徒町〜浅草橋周辺エリアに建つ帝国湯。蔵前通りに面してシャープなファサード(面構え)を持つビル型銭湯だ。裏手にまわってみると、ご主人の小野寺正志さんがなにやら忙しそうに立ち回っていた。ひと言ふた言コトバを交わす。と、すぐに下町オーラ全開のトークに引き込まれる。出で立ちもユニーク、なぜか少しホッとする。
帝国湯の創業は、大正時代にさかのぼる。当時は別の経営者が営業していたが、昭和15年前後に先々代が店名そのままに買い受け、戦災をまぬがれて今日まで引き継がれている。現在のビル型に改築されたのは昭和56年。昨年の大クリーニングで、築27年ものビルには見えないほどの外観に戻った。店内は外観とは対照的に番台形式のオーソドックスなスタイル。配管をオールステンレスにしたため、その後の大がかりな中普請もしていない。
ご主人にお店の特徴をうかがうと「熱いお湯くらいしかないよ」という言葉が返ってきた。しかしいろいろと話をするうちに、このご主人のキャラが一番の特徴かな?と思えてくる。何しろ話しやすいし、面倒見が良さそう。友達付き合いとなっていくお客さんも多く、清掃や釜番まで手伝ってくれることもあるという。店内に飾られている朝青龍&白鳳の手形、そして店名の木彫看板もお客さんからのプレゼント。訪れた業者さんとは話込み、番台でもお客さんとのやりとりが絶えない。オモテの喧騒とは一転、帝国湯には「熱い湯」と「人情」があふれている。
【DATA】ていこくゆ
住所:台東区浅草橋5-23-6
電話:03-3851-2785
営業時間:15:00~23:00
休業日:月曜日
交通:JR総武線[浅草橋駅]より徒歩6分
写真(a)新築同様にクリーニングされた外観。

写真(b)浴槽の背景は一面の大きなタイル絵。

写真(c)番台に座る奥様。朝青龍と白鳳の手形もある!

写真(d)熱いお湯が常に浴槽からあふれている。


