<   2010年 02月 ( 1 )   > この月の画像一覧

★畳敷きの脱衣室!?★(1010誌 102号掲載バックナンバー)

 気持ち良い、そして落ち着ける、一番の床素材とは?…と聞かれたら、多くの日本人が「畳」を挙げるだろう。近年、技術開発により浴室で使用可能な防水畳が登場し、高級旅館や和風SPAなで見られるようになったが、大黒湯では20年以上も前から脱衣室に畳が使われているという。早すぎる(?)ハシリであろうか。
 ここ大黒湯以外で銭湯の脱衣室に畳が敷かれている例を私は知らない。大黒湯ではどのような思いから畳敷きを始めたのだろうか?興味しんしんで店主さんに聞いてみると…「思いつきで先代が敷いたのが始まりです」というお答え。気になるメンテナンス面も「掃除機がけに、拭き掃除と、普通以上に大変ということはそれほどないですよ…」と、あっさりしたもの。下地の一部に腐りが生じた事もあったらしいが、特に大きな問題は無い様子。確かに一年ほど前に敷き替えられたという床一面、とてもきれいな状態だ。
 実はこの畳、正確に言うと「畳風」の特注ゴザ敷きなのだ。ゴザを畳縁で短辺方向に3枚ほど繋ぎ合わせ、木の床上に敷きつめているわけである。よって一般の畳にあるべき、長辺方向の継ぎ目が無い。下地の畳床が無い分、乾燥しやすいのだ。
 お客さんの使い方を観察してみる。びっしょり濡れたまま脱衣室を使うような人はまずいない。せっかくの畳空間なのだから、気持ち良く使おう、というふうなのだ。「しつらえがその空間にいる人の行動を規定する」ということなのかもしれない。足裏に触れる畳の感触を楽しみながら、そんな事を考えた。

【DATA】だいこくゆ
住所:板橋区大谷口1-47-5
電話:03-3974-2953
営業時間:15:00~24:00
休業日:火曜日
交通:東京メトロ有楽町線[千川駅]より徒歩7分
東京銭湯お遍路マップ:80ページ板橋区10番

f0091934_16481621.jpg

通常より広めの脱衣室なので、畳の良さがいっそう引き立ち、ゆったり寛げる空間になっている。

f0091934_16482741.jpg

小上り縁台も畳敷き。囲碁と将棋のセットが粋だ。

f0091934_16483866.jpg

図:脱衣室略平面図。中央にロッカーが無く圧迫感が少ない。
[PR]
by space88 | 2010-02-11 16:46 | ★1010/個性派銭湯セレクション

東京都内の銭湯や温泉を中心とした、建築士:今井健太郎の風呂日記。雑誌1010掲載エッセイのバックナンバーもこちらでご覧頂けます。


by space88
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30