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★風情ある半露天風呂★(1010誌 98号掲載バックナンバー)

 老舗旅館顔負けの風情ある半露天風呂を中心に、特徴ある空間をサービスする銭湯。「遠くの温泉より,近くの銭湯」とはよく言われる名コピーだが、辰巳湯はそんな詞がピッタリの銭湯だ。
 半露天風呂は平成六年、お客さんのリクエストに応えて増築された。外部に完全に開放された空間というわけではなく、壁も天井もある半露天型である。しかし坪庭側の一面だけが外部に開放されていることで、造作の上手さと相まって逆に印象的な開放感を感じる空間となっている。坪庭に配置された石の彫刻は親戚の作家による作品。特別高価な素材という訳ではないが木・石・簾・塗り壁など自然素材が心地良い。普請好きの先代オーナーが施工者と相談しながら形造ったと言うが、全体感から材料の納まり等細部に至るまで雰囲気良く仕上っている。
 さらに特徴的なのが、その半露天空間から坪庭を介して配置された休憩所。ロビー休憩所が無いかわりに「裸エリア」の休憩所があるという配置が珍しい。裸でゆったりできる空間があるというのは嬉しい。
 その他脱衣所には多くの観葉植物が配置されており、季節の花の香が漂うこともある。また木材がふんだんに使用された内装はとても落着く。「お客さんの要望をなるべく取り入れつつ、少しずつ改修してここまで来ました」とは女将さんの言。ひとつひとつ丁寧な改修が積み上げられ、好空間が生まれた銭湯だ。

【DATA】たつみゆ
住所:江東区三好1-2-3
電話:03-3641-9436
営業時間:15:00~24:00
休業日:月曜日
交通:都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線[清澄白河駅]より徒歩2分
東京銭湯お遍路マップ:26ページ4番


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女性側の半露天風呂。坪庭をはさんで右手奥が休憩所。内部空間と外部空間がつながり、光と風と緑が屋内に導かれている。男性側は違う間取り構成となっている。


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男性の休憩所。フロントロビーの休憩所が無い代わり
に、屋内浴室の裏手に裸で利用可能な休憩所がある。


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図:浴室略平面図。機械室の一部と以前の煙突スペース等を利用してうまく半露天風呂、坪庭、休憩所が配置されている。
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by space88 | 2009-06-14 18:46 | ★1010/個性派銭湯セレクション

東京都内の銭湯や温泉を中心とした、建築士:今井健太郎の風呂日記。雑誌1010掲載エッセイのバックナンバーもこちらでご覧頂けます。


by space88
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