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冨士の湯(北区)

★スタッフのチームワークが支える湯★(1010誌 78号掲載バックナンバー)

 女手ひとつで銭湯をきりもりする。昔に比べれば、設備が近代化して機械類の操作やメンテナンスが簡単になったとは言え、なかなかできることでは無いはずだ。この取材を通じて銭湯業界を知る者としては、想像がつきにくい。しかし、赤羽の西が丘球技場近く、閑静な住宅街に立地する富士乃湯は、実際に女主人が経営する銭湯であった。富士乃湯を支える女将さんに話をうかがった。
 女将さんがこの地に移り住んだのは、昭和16年。もともとは「預かり」であった当時木造の銭湯を、親の世代が買い取った。その後昭和54年にRC造に建て替えて、昭和62年にフロント部分の拡幅を含めた中普請をして現在に至る。「両親と主人を亡くしてから、パートの人たちに手伝ってもらってなんとかきりもりしてきました。長期で働いてくれる人がいなくてたいへんな時期もありましたが、今はメンバーも落着いて、4人のスタッフに助けてもらっています。」とは言え、裏方の機械操作、洗い場の清掃など、素人の手伝いだけでお店がきりもりできるはずはない。「平日はS君、土日はNさんという男性が、仕込みから清掃まできちんと裏方をこなしてくれているんです。この二人はだいたいなんでもできますね。」なるほど、浴室の床タイルは、確実に平均点を上回る清潔さ。取材時(平日)も鈴木さんが、まるで息子さんのように、てきぱきとお店の開店準備をされていた。こんなスタッフがいてくれたら心強いだろう。他二人の女性コンビが、お店の顔として、女将さんとともにフロントに立つ。
 そこで気になるのは、富士乃湯のゆくすえ。「娘夫婦が継いでくれるのかもしれませんが、まだ具体的には話をしていません。ただ、親から受け継いだものですから、簡単に無くしてしまいたくは無いなと思っています。」そんな言葉の中に「風呂屋の意気」を感じる。富士乃湯、無くしてほしくない。がんばれ女将さん!がんばれスタッフ4人衆!

【DATA】ふじのゆ
住所:北区西が丘1-25-13
電話:03-3900-0718
営業時間:15:40~23:30
休業日:水曜日
交通:JR埼京線[赤羽駅]よりバス[西が丘]下車、徒歩2分

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by space88 | 2005-12-19 22:02 | ★1010/ちょいとひとっ風呂

東京都内の銭湯や温泉を中心とした、建築士:今井健太郎の風呂日記。雑誌1010掲載エッセイのバックナンバーもこちらでご覧頂けます。


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