旭湯(目黒区)

★なるほど、銭湯の本質とは「いのちの洗濯をするところ」★(1010誌 88号掲載バックナンバー)

 都立大学駅から徒歩1分。駅からアクセスの良い、平町商店街の入口に位置する旭湯。営業前の入口には、中島氏によるペンキ絵富士山(7〜8年前の作)が描かれたシャッターが下りている。このシャッターをカラガラと上げると、元気いっぱいの孫兄妹(4代目)とともに、二代目女将、三代目若旦那が笑顔で出迎えてくれた。
 旭湯の創業は昭和10年にさかのぼる。運良く初代建物は戦災での建物消失を避け、その後昭和47年に現在の建物に建替え、平成4年の大がかりな中普請(サウナとフロントを設置)を経て現在に至る。構造材は良材が使用されているため、築35年には見えない感じで、掃除もよく行き届いている。
 オーソドックスな脱衣室は、やや狭いながらも高い天井が気持ち良い。ちょっと珍しい小さめの個人ロッカーがあり、これがかわいいデザインだ。1月あたり¥200-で借りる事ができる。浴室は、こちらもオーソドックスな木造の高い天井で、昼間は光がよく入る。ペンキ絵が無いものの、森の風景がプリントされた浴室用の壁紙が正面に広がる。夜間はこの壁紙が照明でライトアップされる。このような壁の設計はビル型銭湯で時々みかけたことがあるが、ここ旭湯のように昔ながらの木造銭湯で見るのは初めてだ。間口が広く、天井が高い空間の壁一面が写真で占められると、空間がより広く感じる効果をもたらす。シャワーブースは2組あるが、ひとつは湯出しノズルが側面にいくつも付いているボディマッサージ系のタイプ。サウナ室は1時間までの使用なら無料。高湿度により発汗作用を促すミストサウナなので低温(45度程度)で比較的入りやすい。
 聞けばこの三代目若旦那は、1年ほど前に脱サラしてこの店を継ぐ事を決意したのだという。業界にとっては奇特な存在だ。曰く「まだまだ2年生なんで、勉強する事ばかりでいろいろと大変です」とは言いながら、いろいろな経営アイデアを模索中の様子。二代目女将の話から出てきた、銭湯は「いのちの洗濯をするところ」〜そんな風呂屋精神を引き継ぎつつ、若い力で銭湯業界の明日をになってもらいたい。

【DATA】あさひゆ
住所:目黒区平町1-25-23
電話:03-3717-2641
営業時間:15:30~24:00
休業日:月曜日
交通:東急東横線[都立大学駅]より徒歩1分

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by space88 | 2007-10-21 18:38 | ★1010/ちょいとひとっ風呂

東京都内の銭湯や温泉を中心とした、建築士:今井健太郎の風呂日記。雑誌1010掲載エッセイのバックナンバーもこちらでご覧頂けます。


by space88
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